その3
本当に信じられないことだが、なんとシヴォーンさんと直接会って話す機会を得たのだ……
アイリス家の著名な人物で、地位は当主の次といったところだろう。いつもは一人でいることを好み、めったに人前に姿を現わさないと聞いたことがある。こんな所に出向いて、しかも私のような無名の小物と話をしてくれるなど思ってもみなかった……
最初は緊張して、一言も発することができなかった。しかしシヴォーンさんはまるで魔力を帯びているかのように、すぐに私を落ち着かせた。彼女はたくさんの重要なことを説明した。最近夢境ホテルに異変が起き、ファミリーは怪奇現象に対処するため努力していること、従業員はどんなことに注意すべきか、など…大きな事から小さい事まで詳細に話し、私も奇跡的に集中力を切らすことなく彼女の一言一言に聞き入った。
彼女は最後に、未知の危険を前にしてアイリス家の全員——いや、ファミリーのメンバー全員が武器を持って戦う覚悟が必要だと言った。VIPたちを守るため、我々は脅威をもたらす相手の前に立ちふさがらねばならない……
正直、自分にその準備ができているかは分からなかった。
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